小学校での英語教育
三重県では日教組の教育研究全国集会が行われています。その外国語教育分科会では、中央教育審議会で検討中の小学校への英語教育の導入を巡り、現場の教師から賛否の声が上がっているようです。
富山県のある小学校の教諭が、織田信長と豊臣秀吉らを例に、「どちらが偉いと思うか」と6年生の児童たちに英語で討論させた実践例を報告。この教諭は、「慣れない英語で自分の考えを相手に伝えようとする努力は、コミュニケーション能力を高める」と肯定的だったそうです。小学生が英語で討論? 本当でしょうか?
これに対し、金沢市の教諭が全小学校で英語の授業を行っている同市の状況を踏まえた上で、「教師にも生徒にも負担が大きく、双方とも疲れ切っている」と指摘。これは驚きの告白でした。なにせ金沢市と言えば、昨年度から英語教育の構造改革特区に認定され、小学校の英語教育で全国をリードしている代表的な町なのです。
石川県教組金沢支部のアンケートでは、「英語を教える補助教員との打ち合わせ時間がない」「評価が難しい」などの声が目立っているようです。ある教員からは、「中学入学時点で既に英語が嫌いという子どもが増えた」との意見もあったと言います。統計やアンケートは、それを実施する団体の意向がかなり反映されるものです。真実はどちらなのでしょうか?
小学校での英語教育、いよいよ綱引きが始まりました。最後に勝つのはどちらか? どちらにせよ、生徒を犠牲にすることは避けたいものです。