ぶた丼ミッション#4
途中二つもピーター・フランクルさんの話を入れてしまったので、変に間が空いてしまいましたが、ぶた丼です。そういいながら、ぶた丼のことが何も書かれていませんね、というコメントをいただいたので、今回はこの件を掘り下げます。
なぜぶた丼か?というのは、やはりこれが今や帯広を代表する食べ物にゴゴーンと格上げされたためですよね。行きのJALの機内誌にも帯広ぶた丼有名店、とかの特集ありました。
そこで、今回姉妹都市帯広をアピールするのは、もうこれしかないだろう、という意気込みで、400食分のどんぶり(紙)、割り箸、ステッカー、その他デコレーションなどトランクに詰めてアメリカ、マディソンに乗り込みました。材料は現地調達。調味料、その他調理に使う道具なども地元のスーパーなどで買いました。現地法人キッコーマンさんがスポンサーになってくださり、醤油はもちろん寄付までいただき、助かりました。
さて、肝心のポークです。これが、一番大変でした。なんせ、このフェスティバルの目的は、「健康に安全で、環境に優しい食べ物」です。そのため、有機栽培のエサを与えられ、完全放牧で育てられた豚を、これまた市内から約2時間ほど離れた肉屋さんに買いにいく必要がありました。肉屋さんにしたって、ぶた丼用の肉をスライスするなんて初めてのことです。一緒に買い付けに行ったバイプレーンのシェフ、長屋さんの指示に従い、ものすごい量の豚肉ロース薄切り(でっかいクーラーボックスに2つびっしり)が1時間近くかけて出来上がりました。
さて、今度はそれをMATC(Madison Area Techenical Center)という職業訓練カレッジのキッチンに運びこみ、そこの冷蔵庫で保管。次にそのキッチンでとてつもない大きなナベを借り、タレ作り。煮つめておいしいテレになるまで、これが午前中いっぱいかかりました。
しかし、実は行く前にちょっぴり不安になるような情報も得ておりました。それは、マディソンにはベジタリアン(菜食主義者)が多い。しかも肉、と言えば圧倒的にビーフが主流で、ぶた肉はあまり人気がない、、、、という情報も知人から得ていたからです。ウ〜ン、売れるのかな?食べてくれるのかな?と 心配だったのですが、なんと、結果は終了時間前に完売!! ウケました。もちろん、「ポーク」というとじゃぁけっこう、と行ってしまうお客さんも多かったのですが、それでもディスプレイ担当の清原さんのセットアップが人目を引き、好天候のもと長屋シャフがやく炭火でジュージューの肉、それを手早く盛りつける交流協会会長、門屋氏の活躍が功を奏し、加えて向こうの協会員の手伝いもあり(上院議員夫人日系2世のジョーさん、昨年まで帯広市の国際交流員だったカレンさん、ジェトロの現地担当荻迫さん、ありがとうございました!)、最初はポツポツしか売れなかったぶた丼、お昼近くは行列ができました。ぶたどんと一緒に、口答、パンフなどで帯広のピーアールも敢行。声が枯れました。でもとりあえず任務完了。ほっとしました。
思いがけないこの人気に、当日ご飯を炊いて配達してくれた日本料理店『銀座』では、ぶた丼を新メニューにするのを検討しています。もしかしたら、帯広名物ぶた丼が、マディソンを皮切りにアメリカ全土に広がるかも?注目です。