原点
私ごとですが、「帯広図書館友の会」というボランティアの事務局をしています。
昨日(土曜日)、とってもいい発見があったので、お知らせします。
昨日の例会は手遊び講習会で、幼児向けのわらべ歌などたくさんならった後の事です。
この日の手遊びの講師の方が、たった一人で小学校のボランティアをされている、ということから、「実は私も息子が通っていた小学校で年に何回か読み聞かせのボランティアをしているのですが、休み時間集まってくるこどもたちの表情が、いいんですよね〜」と口火をきらせてもらいました。中休み20分間の「おはなし会」なのですが、決して強制ではなく、聞きたい子どもがわらわら集まる、外で遊びたい子は汗かいといで〜、という時間です。音楽室の机を下げて作ったスペースに一年生から六年生まで聞きたい子だけ集まってきます。中には六年生の膝の上でお話をきく一年生もいたり、後ろでムズムズする一年生に小声で注意したりする5年生がいたり、変に「縦割り活動」なんて区切らなくても、自然な育て合いがあって、ものすごくほっとする空間になっていて、それがどんなお話を聞くか、いう以前にめちゃめちゃステキだと思うのです。だから、私はもう自分の子どもはいないけど、学校にいくのが結構楽しみです、というようなお話しさせてもらいました。
他の会員からも、それぞれ違う学校での活動が1,2紹介されたあと、我がお話会の中では割と高齢(妙齢?)で、普段は静かにニコニコうなづいていらっしゃっるNさんが、「あの〜。いいですか?」と発言されました。
「たしかに、みなさんがボランティアでそんな活動をされるのはいい事だと思うんです。でもね、私、学校の先生達は何をされているのかしら?って気になるんですよ」とおっしゃるのです。
「私が教員をしていたころ、戦後間もなくでしたから、ひとクラス65人の生徒がいたんですね。当時の小学校ではそう珍しくない人数でが、これだけ多いので中には学校に来ている間一度も発言しないでかえってしまう子もいたので、それがかわいそうで、毎日歌を歌いました。そしたら、少なくとも一度は全員声を出すでしょう。それから、授業もわかってついてくるこもいれば、全然おもしろくなさそうな子もいる。だから、たまにみんなが楽しめるようにって、本を読んであげてたんですね。これなら勉強の嫌いな子も聞けるから。私がいい本だな、好きだな、って思うのを選びました。あの頃の生徒はもう60近くなってますが、『授業の中身はさっぱり覚えてないけど、先生に本を読んでもらったのはしっかり覚えている』っていうんですよ」
その時お話会のリーダーが、「私も!中学の数学の時間、暑くて全員ダレ〜っとしていたとき、突然先生が『みんな教科書閉じろ。今日は勉強にならん」っていって、ビルマの竪琴を2時間かけて読んでくれたの。私が親子劇場とか、本のボランティアの活動をしている原点はそこなの!」
で、私はこれって、先々週「ゆかいな仲間達でカリスマ英語教師田尻先生が『ぼく、年間何時間かはすでに捨ててますから』っておっしゃっていた、詩を読む時間、音楽を聴く時間とおんなじ!!って気づいてゾクゾクしました。教育の原点はじつはそこなんじゃないでしょうかね。うれしくて田尻先生にもメールしてしまいました。