旅立ちの朝
母、愛子が旅立ちました。94歳でした。しっかり目を開け私の顔を見ていましたが、そのまま眠るように目を閉じました。優しい母親でした。そろばんの練習にやる気がなかった小学生の私を父はひどく叱り、私のそろばんを叩き壊してしまいました。そのとき、私に代わり必死に謝っていた母の姿が今でも目に浮かびます。大学卒業後に就職した松下電器で挫折し、1年半で辞めた時の上司に告げた嘘の理由は、母の重病でした。その母があれから50年も生きてくれました。これで愛子さんは天国で再び父、甲一と一緒に暮らせるのですね。またいい写真を撮ってもらってください。
2024.08.08 21:23