ジョイおじさん
朝、ベルギーから電話が入りました。不吉な予感が的中。ジョイおじさんこと、フェルデイナンド・デ・バックさんが13日に他界したとの知らせでした。91歳、最後は体重も40キロぐらいになり、穏やかに息を引き取ったそうです。
ジョイおじさんとの出会いは、1975年3月、石川県金沢市にある高岸寺というお寺(民宿)でした。大学を卒業し、大阪の松下電器でのサラリーマン生活が始まる直前、私は最後の自由な旅行を楽しんでいました。金沢の姉妹都市ゲントから来たという彼がここでホームステイをしていたのです。
その日、通訳として同行する予定だった金沢大学の学生さんが都合で来れなくなったということで、私が半日付き合うことになりました。好きな英語を話しながら金沢を観光できるのですから、私にとってはとてもラッキーな一日でした。そして、この偶然が後に私にいくつもの幸運を運んで来たのです。
ジョイを始めた1977年に校舎を設計してくれたのが建築家だったジョイおじさんでした。無名の私が初年度から生徒を集めることができたのは、彼が設計した洋風の建物のおかげです。その後、一度だけ帯広に来たことがあります。そして私は2度彼を訪ねてベルギーに行きました。
ランチョ・エル・パソでの歓迎パーティー、一緒に旅した佐渡、彼の自宅でのピアノコンサート、などなど。思い出がいっぱいです。最後に会ったのは1996年でした。彼の家の前で別れを告げると涙が流れ出して止まりませんでした。「こうして会えるのは最後かも?」と感じていたからです。悲しいね。今日はひとりでお通夜します。
2007.02.14 22:47