後輩
大学時代の後輩が久しぶりに訪ねて来てくれました。彼とは英語クラブで一緒に勉強した仲間です。今や北海道を代表する企業ですっかり出世しています。今日は珍しく帯広で仕事が入ったということで、昼食を一緒に食べました。もちろん、私のおごりです。
正直、私はこの後輩が苦手でした。特に英語でディスカッションをするときは、彼の議論についていけないことがちょくちょくあったからです。理由は読書量の違いだったのでしょう。とにかく彼は本を読んでいました。先輩として指導しなければならない立場にいながら、自分の先を行く後輩にどうしようもない無力感を感じたものです。
彼が私を帯広に最初に訪ねて来てくれたのは29年前、ジョイが開校した年です。彼はまだ大学生でした。そのときに一緒に撮った写真は今でもアルバムに大事に収められています。ジョイをオープンさせながらも不安いっぱいだったあの頃。私を訪ねて遊びに来てくれる人などあまりいませんでした。本当に嬉しかったのでしょう。写真の中の私は満面の笑みを浮かべています。
別れる際、彼に『リスニング・チャレンジ30』(NHK出版)をプレゼントしました。これは私が今まで出した唯一上級レベル向けの本です。先輩としての威厳のかけらでも見せたかったのでしょう。聞くところによると、彼は今でも英語を勉強しているそうです。と言うことは、いとも簡単にこの本を終わらせてしまったりして?
2006.03.02 17:57