和室
アメリカから今頃クリスマスカードが届きました。送り主はマット。ジョイで働いていたのは15年も前のことでしょうか。長身で、髪の毛が薄くて、お酒を飲むと急に陽気になる、エルビス・コステロが大好きだった男です。
マットはあの名門ハーバード大学の出身という秀才でした。では、なぜそんな彼がジョイにたどり着いたのか、疑問が残るはずです。実は、彼の奥さんが建築家で、彼女の方が音更の象設計集団に先に就職が決まっていたのでした。当時、私は象のことは知りませんでしたが、全国的、いや国際的に知られる建築設計の事務所だったのです。マットはそんなことから彼女について来日し、ジョイで英語を教えることになったのです。
とてもいい先生で人気があったのですが、彼の興味は英語ではなくコンピュータでした。そんなことから、残念なことに1年でジョイを辞め、札幌の有名なコンピュータソフト会社に就職して行きました。
今回届いたクリスマスカードには、自宅を増築して和室(縁側やお風呂も付いているそうです)を作ったということが書かれていました。写真には、畳だけでなく障子も写っています。そして、その障子の前にはクリスマスツリーが。なんか違和感がありそうで、しっくり感もある不思議な空間です。でも、何かの縁で日本で過ごした2人がアメリカの自宅に和室を作るというのは、とても嬉しいことです。
それにしても「なぜタタミなの?」とマットに聞きたくなります。「俺はマット。タタミマットが好きなのさ」なんて笑えないダジャレが聞こえてきそうです。クリスマスカードには、「将来2人の子どもを帯広に連れて来たい」と書かれていました。そんな日が近いことを願っています。