エルビス
林正巳さん(十勝毎日新聞社元社長)のお通夜の帰り道、カーラジオから流れてきたのがオールディーズの番組でした。そして、特集はエルビス・プレスリー。ここまで書くとファンの方はピーンとくるのでしょう。そうです、私は知りませんでしたが、今日1月8日はエルビスの誕生日だったのです。それで、謎がひとつ解けました。昨日の夜、何気なくテレビのチャンネルを回すと、衛星放送でエルビスの番組をやっていたわけです。
エルビスは1935年の生まれですから、今生きていたら71歳。70歳を越えたエルビスは、いくら想像たくましい私でも、イメージがわきません。あの長く伸びたもみあげはどうなっているのでしょうか? あの黒々した頭髪はカツラに代わっているのでしょうか? 確実に言えることは、もはや怪しくセクシーに腰をふることは無理ということだけです。なにせ他界する直前のエルビスの体は、ドーナツの食べ過ぎで、ブクブクだったと言われています。
エルビスは、アメリカ、ミシシッピー州のテュペロという町で生まれました。彼の生家が番組で紹介されていましたが、それはそれは小さな家で、とにかく貧しい家庭に育ったということでした。そのエルビスが愛する母親のために録音した1枚のシングルレコード(当時、わずかなお金を出せば、誰でもレコードを作ることができたそうです)が奇跡の始まりでした。それをたまたま耳にした「サン・レコード」のオーナーがエルビスに大きなチャンスを与えたのです。
番組では、このサン・レコードのスタジオも映し出されていましたが、時間が止まってしまったような場所でした。エルビスはここでロカビリーの誕生を高らかに告げる名曲の数々をレコーディングします。その後のサクセスストーリーはみなさんもご存知のはずです。こんなアメリカンドリームは、宝くじや株取引のミスに乗じてゲットした一刻千金とは違い、いつ聞いても胸がジーンとなります。
他界した林正巳さんもこの十勝を舞台に、エルビスとまでは言わないまでも、サクセスストーリーの主人公だったのでしょう。ご冥福をお祈りします。