高校留学
昨夜、ある高校3年生に頼まれ面接の練習をしました。もちろん英語による面接です。大学の一次試験に合格し、二次試験に面接があるとのことでした。彼女はある留学機関を利用し1年間アメリカの高校に留学し、今年6月に帯広に戻ってきたそうです。
高校時代にアメリカで1年滞在した学生のイメージと言えば、私にとっては、大学の英語クラブで同期だった石沢くんです。彼の英語はずば抜けていました。「聴く、話す、読む、書く」という全てのスキルにおいて抜群の力を持っていたのです。当然、同期生だけでなく、先輩も彼には一目置いていました。
「アメリカで1年勉強すると石沢くんレベルの力がつく」という神話が私の中で崩れたのは、10年ほど前ぐらいからでしょうか。とにかく高校留学から戻る学生の英語レベルが落ち始めたのです。カジュアルな会話は流暢でカッコいいのですが、他のことでは首を傾げたくなることが多くなりました。文法が弱かったり、簡単な単語しか使えなかったり、少し難しい社会問題になるとI don’t know.なんて軽く片付けたり、...。
しかし、彼女は私の想像をはるかに越えていました。もしかしたら、あの石沢くん以上かもしれません。英語のクォリティはもちろん、話す内容もとても高校生とは思えないレベルでした。しかも、よく留学帰りの学生にある傲慢な態度もまったくありません。私は「あなたが落ちたら、受かる学生はいないでしょう。100%大丈夫ですよ」と太鼓判をおさせてもらいました。
近頃の留学生には、海外にいるチャンスを利用してがむしゃらに英語力を付けたい、というタイプは珍しくなりました。そして、インターネットの普及により、日本の友だちや家族と簡単に日本語で連絡し合えるのも問題かもしれません。むかしは電話をかけるだけでも一大事でした。まして、手紙は1週間もかかって届いていたわけです。
そんな中にあって、彼女は立派だと思います。いろいろな分野で自信を失い始めた日本。彼女のような人材に期待したいものです。大学が彼女をさらに一流の人材になるためにさらに磨きをかけてくれるといいのですが。