ピーター・ドラッカー
この名を聞いて分かる人がどれぐらいいるでしょうか? 「近代経営論の父」とも呼ばれる世界的な経営学者、ピーター・ドラッカー氏が11日、カリフォルニア州南部クレアモントの自宅で死去しました。95歳でした。
私が小樽商大時代に専攻したのは「トップマネジメント論」。簡単に言うと、「社長学」といったところでしょうか。ゼミの担当教授は、伊藤森右衛門(いとう・もりえもん)という今流行のお茶のような名前の先生でした。この森右衛門先生の講義の中で毎回のように出てきた名前が、このドラツカーだったのです。彼の著書『現代の経営』は当時としては大ベストセラーでした。私も卒業論文を書く際には、糊とハサミで大いに利用させてもらいました。
あれから30年。ドラッカー教授は2003年までクレアモント大学大学院で教授を務めていたというのですから、驚異です。アマゾンで調べると、一番最近出された著書は『ドラッカー20世紀を生きてー私の履歴書』(日本経済新聞社)。出たのが今年の8月ですから、自分の人生を最後にきちんとまとめて他界したことになります。
森右衛門先生は、小樽商大学長を経て、北海道の経済界では超有名人になりました。最後に会ったのは、私が松下電器を辞めジョイを始めた頃です。「食べて行けているのか?」とずいぶん心配してくれたことを覚えています。とても優しい人でした。私にとって偉大な2人の経営学者がこれで他界したことになります。今頃、天国で出会った二人は意気投合し、お互いの経営論を展開しているかもしれませんね。
ところで2人に共通していることがあります。それは独特の英語です。森右衛門先生は全ての単語にストレスを置く日本人的英語でした。そして、テレビのインタビューで聞いたドラッカー博士の英語の訛りがひどかったことを鮮明に覚えています。