テーブルマナー
今日は甥と一緒に六花亭の2階にある「ホーム」でランチを食べました。彼は大学3年生で、現在、帯広の企業でインターンシップの研修中です。一緒に食事をしていて気がついたことがあります。それは私が学生のときとは違い、フォークとナイフを結構うまく使いこなしているということです。
私が生まれてフォークとナイフで食事をしたのは、忘れもしません、高校2年生のときの修学旅行でした。今から35年前のことです。場所は京都。同級生の知り合いのおじさんが、私たち高校生3人をレストランに連れて行ってくれたのでした。
生まれて初めての経験に、私は固まってしまいました。目の前に肉があるのにどうやって食べていいか分からなかったのです。額から汗が流れ始めました。ただほっとしたのは、私だけでなく、他の仲間もやはり同じだったことです。そのときおじさんが小さな声で言いました。「最初からフォークとナイフを使えるのは誰もいないよ。でも、君たちはこれから世の中に出るのだろ。知らなくちゃ、恥をかくよ。だから私の真似をしながら食べなさい」。
みんな見よう見まねで肉と格闘しました。途中でナイフを落とすもの。キーという金属音を出すもの。まるで、それはコメディの世界でした。せっかくの肉の味など分かるはずはありません。とにかく皿の上の食べ物をゼロにするための戦いでした。でも、私は京都で出会ったそのおじさんに感謝しました。少なくとも、本格的な洋食を食べる機会を与えてくれた初めての人だったからです。そして、私にテーブルマナーの基本を教えてくれた人でもありました。
池田町では、高校の卒業生を対象に、毎年テーブルマナーを教えています。先日のプレジェクトXで十勝ワインが取り上げられましたが、元町長の丸谷さんの笑顔が最高でした。あの方の功績は偉大でしたね。ワインの生産だけで終わらず、ワイン文化まで追求して行ったのですから。