手動式タイプライター
ジョイもいろいろな業務をやっていますが、久しぶりに変わった仕事が舞い込んできました。なんと手動式タイプライターで書類を打つというものです。
手動式タイプライターと言えば、すぐ黒いオリベッティ社製のものを思い出します。私も大学1年生のとき(今から34年前)にバイトをして買いましたが、英語を志す者には必須のアイティムでした。日本製のタイプライターなら1万円程度で買えたのですが、オリベッティは3万円以上もしました。ところで、あの私のオリベッティはどこに行ってしまったのでしょうか? 今あれば、もう骨董的な価値があるはずです。
話を戻しますが、この仕事はそう簡単ではありません。まず、手動式タイプライターが必要です。アンティーク好きの私はブラザー製の古いタイプライターを持っていました。ところが、リボンが乾いていて使うことができません。そこで、ブラザーの支店から新しいリボンを購入。ところが、今度はそのリボンをつけることができないのです。当時は、難なくやっていた作業なのですが。
まあ、この書類の締め切りまでにまだ時間があるということで、今のところはのんびりやっています。実はこれってオリンピック関係のものなんです。現代の最新技術を結集してやるはずのオリンピックで、今だに手動式タイプライターでなければ書類を作ることができないというのは、何か変だと思いませんか?
次の開催地はイタリアのトリノ。分かった! イタリアと言えば、オリベッティ社があるところです。手動式のタイプライターを買わせるための陰謀かもしれません。それはないか。ところで、オリベッティはまだ手動式タイプライターを生産しているのでしょうか?
PS. ネットで調べているうちに驚く事実が判明しました。オリベッティは、手動式タイプライターを復刻販売しているようです。さすが伝統の国イタリアですね。
PS. 今ようやく作業を終えました。リボンを取り替えるのに40分、打つ練習に20分、実際に打つのに10分、計1時間10分もかかってしまいました。打つ途中で、このタイプライターには「1」がないことに気づきました。思い出したのが、「L」の小文字を使うことでした。そうそう、書類を見ていて気がついたのですが、タイプを打たなくても、「手書きで大文字を使えばいい」と書いてあるではありませんか。これならこんなに苦労しなくてもよかったのです。結局、この仕事を頼んできた人が、手書きで「U」と「V」を間違えられたくないというような、こだわりがあったようです。こちらとしてもいい経験になりました。