問題発言
石原慎太郎・東京都知事は何かと問題発言が多い人ですが、今回はフランス語関係者を怒らせてしまったようです。「フランス語は数を勘定できず国際語として失格」と発言したのは名誉棄損に当たると、フランス語学校校長や日本人のフランス語研究者ら21人が、新聞への謝罪広告掲載と計1千万円余の慰謝料を求めて東京地裁に提訴しました。
ことの発端は、昨年10月首都大学東京(今年4月開学)の支援組織設立総会で、「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格している」と発言したと伝えられています。フランス語は「70」を「60+10」、「80」を「4X20」などと数えるということを、みなさんは知っていたでしょうか?(私は知りませんでした) 石原知事の発言は、こうした数え方を念頭に置いて出たようです。
これに対し、原告は「フランス語は数を数えられ、国際機関や多数の国で公用語として使われている。虚偽の発言で母国語として話したり研究する者の名誉を傷つけ、学習者の意欲をそぐことで語学学校の業務を妨害した」と主張しているというのですが、これには首を傾げたくなるのは私だけでしょうか?
こんなことで提訴されるのであれば、私だけでなく生徒のみなさんも言動に気をつけなければなりません。平気で「英語はメチャクチャな言語だ!」「英語の文法は例外が多過ぎて、サイテー!」「国際語にするならスペイン語の方が適切!」なんて、日常的に言っていませんか?
もちろん、石原知事は私たちなどとは違い、有名人で影響力がある人だから、なおさら言葉に注意しなければならないはずです。話をおもしろくする手法として、過激なことを言うのがこの方は好きなようですが、これからは中国に対する発言と同様、言動にはより慎重であってほしいものですね。ところで、原告が勝訴した場合、1千万円はどのように配分して使うのでしょうか? 気になります。