ヘッジ的な思考
私が好きな松井秀喜が3年連続のオールスター出場を逃してしまいました。これで日本人プレイヤーとしては、イチローが出場するだけとなり、がっかりしたファンも多いのではないでしょうか。
でも、私はこの機会に松井という男がさらに好きになったのです。松井は32番目の出場選手を決めるファイナルボートの候補者5人にノミネートされていました。そのときのコメントは、「出られたら名誉なことで嬉しいし、出られなければゆっくり休養して後半に備えたい」でした。ご存知のように、松井は6月12日に右足首をねんざした後も、全試合に出場しています。
こういう松井の考え方は、ヘッジ的なものです。ヘッジ(hedge)とは、経済用語でよく使われています。例えば、インフレヘッジの場合は、インフレによって所有する資産の価値が減少するリスクを回避することを言います。インフレが進むと、当然モノの値段が上昇し、相対的に貨幣価値が低下するはずです。そこで、インフレの時に値段が上昇する不動産や貴金属を買うことで、資産価値の減少を防ぐことができます。簡単に言うと、どちらに転んでもいいようにするということです。
実は、私もこの仕事を始めた24歳のとき、ヘッジ的な考えをしていました。たくさん生徒が集まり仕事が忙しくなれば、借金も返せるし、収入も安定して嬉しい。反対に、生徒が来なければ、仕事がない代わり時間があるから、英語を勉強して実力をつけようというものでした。最近は、天気がいいのは嬉しい。でも、雨が降ったら降ったで芝生に水をやらなくてもいいからそれも嬉しい、なんて考えています。
ヘッジ的な思考ができると、生きるのがより気楽になります。みなさんもトライしてみてはどうでしょうか?