買った方が安いですよ
今度は録音用に使っていた小型のMDプレイヤーが壊れました。買ったのは、4年前ぐらいでしょうか。とにかく最近の電気製品は寿命が短くなったようです。修理に出しても、返ってくる言葉は「買った方が安いですよ」。これには参ってしまいます。
私の実家は松下電器の販売店でした。しかも、大学卒業後に私が入社したのも松下電器。そんなこともあって、電気店では知らずのうちに松下製品の方に目がいきます。でも、最近は安さに惑わされ、ずいぶん他のメーカーの製品も買うようになりました。「安いから買う」という考え方がやはり悪いのでしょうか。「通販生活」などを参考にして、長く使える製品を買うようにする必要があるかもしれません。
ところで数日前、「この人に会いたい」(?)とかいうNHKの番組に、私が小学生の頃から尊敬していた松下電器の創始者、今は亡き松下幸之助さんが出ていました。彼が書いた本はよく読んでいたのですが、テレビなどで声を聞く機会はあまりありませんでした。驚きだったのは、経営の神様の言葉が聞き取りずらいということです。なにせバラエティ番組でもないのに字幕がついていました! 当時、幹部や社員のみなさんは、言葉のひとつでも逃さないと、真剣に耳を傾けていたことでしょう。
私の松下でのサラリーマン生活は1年半と短かったのですが、結局、松下幸之助さん(当時は相談役)の顔を一度も拝むことができませんでした。ただ、製造実習をしていた横浜の工場で急に掃除が始まったとき、職長に「何ですか?」と聞くと、「水戸黄門が来る!」と一言。私は、直感的に松下幸之助に初めて会える(と言うよりは、見ることができる)と興奮したのを覚えています。結局、その日、相談役は現れませんでした。
こんな時代だからこそ、松下幸之助さんの話がとても新鮮でした。ところで、「買った方が安いですよ」と言うサービス担当者に、彼はどんな反応を示すのでしょうか? 見てみたかったですね。