卒業式
帯広コンピュータ・福祉専門学校の卒業式に出席してきました。実は、私は開校した1986年から6年間、前身の帯広コンピュータ専門学校で英会話を担当したことがあります。印象的だったのは理事長の神山恵美子(こうやま・えみこ)さんの式辞でした。用意したスピーチをそのまま読むのではなく、ときには顔を上げ卒業生、父母、そして来賓の目を見て語りかけていました。これはなかなかできることではありません。
私もこれまで小学校から大学院まで卒業式を経験していますが、鮮明に覚えているのは小樽商大での式だけです。もう35年前のことになりますが、それはそれは衝撃的でした。
当時の小樽商科大学には、なぜか卒業アルバムがありませんでした。だから、私はそれを自分で作りました。タイトルは「我が青春は小樽とともに」。4年間撮りためた写真をアルバムに収め、それぞれのページに合うようにいろいろな音や音楽をテープに編集しました。小樽駅での列車のアナウンス、東京ロマンチカが歌う「小樽の人よ」のメロディが流れ、仲間たちの声も入っている力作です。それに実方学長の言葉も入れようと、式にテープレコーダーを持参しました。
学長の挨拶が始まり、私は不思議な瞬間を経験することになります。なんと学長のある言葉が繰り返し頭の中で響いてきたのです!「風雪に耐えて、大地に根ざした大樹となれ。けっして箱庭や鉢植えの枝ぶりのいい盆栽となるな」。その後の人生の指針となるような言葉に、卒業式で出会うことができたのは本当に幸運でした。もちろん、卒業アルバムのテープはエコー付きのこの言葉で締めくくられています。
2005.03.19 13:50