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私のふるさとは十勝管内豊頃町です。帯広から車で1時間程度のところですが、実家も今はないことからそれほど頻繁に行くことはありません。今日は親友で町内で一番大きなスーパーを経営する高橋敏典くんのお母様のお葬式があり、朝7時30分に自宅を出て豊頃に向かいました。彼とは小学生の頃からの遊び友だちで、そして勉強ではライバルでした。彼の家はスーパー、そして私の家は電器屋。場所的にも道路をはさんでほとんど真向かいだったこともあり、毎日のように行き来していました。
車窓から見えた十勝平野の朝の景色は、大地から空まで真っ白。カメラにおさめたいような気分になりました。私が中学を卒業するまで過ごした茂岩市内は、新しく改装した店は多くなったのですが、昔の賑わいはまったくありません。人が集まっているところと言えば、人気のラーメン店「ざぼん」とドーナツで有名な「朝日堂」ぐらいです。
お葬式では、懐かしい顔がそろっていました。小学校時代の同級生で農業をやっている松崎文一くんは、小学生になる孫がいるとのことです。ウーン、これには参りました。私はかなり遅れをとっているようです。52歳ともなると、多くを語らなくてもお互いの人生が分かり合えるような感じがします。
見送りの際にした高橋くんのお礼の挨拶が心に響きました。「私の両親は貧乏のどん底から働いて働いて這い上がってきました。その姿を見ながら、私たちも歯をくいしばりがんばってきたのです!」。坂の上の食料品店で忙しく働く彼の両親の姿が目に浮かびました。合掌。
何年たっても私のふるさとは豊頃町しかありません。浦幌町との合併話も消え、豊頃町は独自の道を探り始めています。ホッとしているには私だけではないのではないでしょうか。ふるさとの名前がなくなるのは寂しいことです。豊頃は、みんな貧乏だったけれど、「豊かな頃」を思い出させてくれます。

2005.03.15 22:51
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