友情
ちょっといい話を読みました。これは教材会社を経営する鳥居実さんが発行するメールニュース「ムッシュトリイのよもやま話第56話」(2005年2月23日)からです。テーマは、「友情」。原文のまま載せさせてもらいます。
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君たちは本当の友達を何人持っていますか、と聞かれたら、「たくさんいるよ」と答えるでしょう。しかし考えてみてください。本当の友達は真の友情で固く結ばれている友達のことではないでしょうか。「真の友情」とは「いざ」というときに頼りになる友達のことだと思います。シラーという詩人は「友情は喜びを2倍にし悲しみを半分にする」と言っています。
皆さんはミレーという画家を知っていますね。「落ち穂拾い」「晩鐘」などで有名なミレーの不遇時代のことです。ミレーの家族は貧しさのあまり飢えと寒さで震えていました。そんな時、友人の画家ルソーが訪ねてきて、ミレーの作品を300フランで買いたい男がいるのだが、その絵を売ってくれないか、というのです。実は買いたい男というのはルソー本人で、友の苦しい生活を見かね、また友人に苦しい思いをさせたくないと「ある男」が買ったことにしたのです。後に画家として成功したミレーはこの事実を知り、感激の涙を流したそうです。「真の友情」の意味を皆さんも考えてみてください。
去年2月、A君とB君は違う私立高校を受験しました。発表の日、A君は合格、B君は不合格でした。その夜、A君はB君に電話を掛けようとしてためらいました。勇気が出なかったのです。そうこうするうちに、B君から電話が掛かってきました。
「A君、合格おめでとう。オレ、落ちたよ」
A君は思わず、「ごめん、オレ、電話しようとしてできなかった。勇気が出なかったんだ。ごめんね。次の高校頑張れよ」
「ありがとう」
それを台所で聞いていたA君のお母さんは涙が出たそうです。私もその話を聞いて感動しました。自分は落ちたが、友達の合格を心からお祝いしたB君は偉い、そしてごめんなさいと言ったA君も偉い。二人の友情は生涯続くでしょう。
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最近はどのチャンネルもライブドアとフジテレビの激しい戦いの話ばかりです。こんな時代だからこそ、この話は心に響くものがあるのかもしれません。